女性は生涯に“月経を迎える前”“月経のある時期”“月経が終わってから”の3つのライフステージを経験します。3つ目のステージに移る時期には女性ホルモンが減少するため、規則的であった月経周期が不規則になり、やがて約1年間月経が停止した状態である「閉経」を、多くの女性は50歳前後に迎えます。
閉経前後の約10年間が更年期に当り、さまざまな症状が現れます。主な症状は「のぼせ・ほてり」などの「ホットフラッシュ」であり、突然「上半身がカーッと熱くなり、汗が出た後にスーット冷える」といった症状が日に数回みられます。「膣の乾燥感」や「性交時の痛み」を感じ、「眠れない」や「憂うつな気分」になることもあります。このような症状の種類や強さ、現れる時期や持続する期間には個人差があります。閉経の前でも両側の卵巣を摘出した場合は閉経と同じ状態になり、症状も同じように現れます。
卵巣からの女性ホルモンには、月経を起すだけでなく、女性の健康を保つための多くの重要な作用があり、更年期に入り卵巣の機能が低下しホルモンが減少するとさまざまな症状が現れるだけでなく、閉経後には自覚症状がなくても骨量の減少、コレステロールや中性脂肪の増加、動脈硬化などが進行します。
また更年期には、家庭や社会での生活環境や人間関係に変化が生じるために、ストレスを強く感じる女性も少なくありません。 「更年期」は女性にとって人生の再出発の時期です。これまでの生活習慣やものの考え方を見直し、その後の年月を健康に過すための身体のチェックをする健診を受けるようにしましょう。
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