2つの女性ホルモンと月経 テレビで女性の月経と排卵について取り上げている健康番組をみた。2つの女性ホルモンを説明する言葉としてEとPという文字が使われていた。少し驚いた。しかしわかりやすいとも思った。Eは卵胞ホルモン(エストロゲン)、Pは黄体ホルモン(プロゲストーゲン)の略である。
専門家の学会では通常、エストロゲンをさらに分類してエストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)と表記し、E2値が50pg/mlなどという表現を使ったり、薬剤のタイプを表すときにE製剤、E+P製剤などという言い方をする。月経のサイクルにも妊娠にも、閉経にもさまざまな女性のからだのイベントにはこの2つのホルモンが微妙な比率で放出されながら関わっている。まさに自然のなせる究極の技である。
少し説明すると、卵胞の成熟に伴いエストロゲンが分泌され、脳から出る刺激ホルモンにより準備が整うと成熟卵胞から排卵が起こる。
E(エストロゲン)の作用により子宮内膜は厚さが2~3mmから10mm近くまで増殖して分厚くなるが、排卵後の卵胞は、黄体と呼ばれる組織となり大量のP(プロゲステロン)と少量のE(エストロゲン)を分泌する。このホルモンの作用により、子宮腺の分泌活動が盛んとなり、子宮内膜を妊娠に適した状態にする。
黄体の寿命は14日と一定しており、妊娠が成立しなかった場合、黄体は萎縮し、P(プロゲステロン)とE(エストロゲン)の分泌も停止してホルモン作用が消失すると子宮内膜表層の血流は減少し表層の壊死、脱落が起こり子宮内膜機能層と基底層の境界で内膜が剥離し、らせん状動脈からの血液とともに子宮の外に流れ出る現象が月経である。
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