女性の健康コラム

 

◎意外に多くの人が患っている“痔疾患”

 「痔」で悩んでいる女性は多いのですが、デリケートな部分の疾患であるため治療が遅れることも少なくありません。妊娠中に大きくなった子宮の重みで肛門部が圧迫されたり、出産時のいきみが原因で「いぼ痔(痔核)」ができることがあります。発生する場所により痛みや出血の状態が異なります。

 直腸粘膜と皮膚の境目の歯状線より奥に発生したものを「内痔核」、外側に発生したものを「外痔核」といいます。「内痔核」は強い出血がありますが、痛みはそれほど激しくなく、「外痔核」の場合は痛みが強いのが特徴です。「切れ痔」というのは、裂肛といわれ、排便のときに肛門の表層が一部裂けて出血をおこすものをいいます。この裂肛が繰り返されると炎症が起きたり潰瘍ができたり、排便時の痛みが常時伴うようにもなります。

 痔疾患は生活習慣と密接な関係がありますので、治療は生活習慣の改善といっしょに行うことになります。

 治療に使用する薬剤には、出血、痛みなどを改善する坐剤や軟膏などの外用薬と、痔核を萎縮させたり、血流を改善することを目的とした内服薬があります。外用薬の剤形は、痔が肛門の内側にあるのか、外側にあるのかによって、より使いやすく効果が発揮されやすい坐剤や軟膏などを選びます。軟膏では肛門の内側に注入するのか、外側に塗るのかなどを必ず確認して下さい。肛門内に薬剤を正しい手順で挿入しないと、挿入が刺激になり便意を感じ坐剤を排出してしまうこともあります。薬剤を使用する際には、医師や薬剤師から十分な説明を受け、また治療効果が十分であるのかを医師に確認しもらい、再発や増悪しないように日常の排便習慣などに注意することが重要です。

 

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